東京大学工学部1号館土木設計演習室および講義室にて、GROUNDSCAPE DESIGN WORKSHOP 2013を開催しました。
今年で記念すべき10回目となるGSDW。昨年度に引き続き、「銀座」を設計対象地として設計演習を行いました。
(twitterによる実況もあわせてご覧ください。GSDW2013 HP[外部リンク])
今年度の講師陣は以下の方々です。
土木
篠原 修(エンジニア・アーキテクト協会会長 / 東京大学名誉教授)
小野寺 康(小野寺康都市設計事務所)
中井 祐(東京大学)
西村 浩(ワークヴィジョンズ)
建築
内藤 廣(建築家 / 東京大学名誉教授)
千葉 学(千葉学建築計画事務所 / 東京大学)
乾 久美子(乾久美子建築設計事務所 / 東京藝術大学)
都市
羽藤 英二(東京大学)
小林 博人(小林・槇デザインワークショップ / 慶應義塾大学)
設計対象地を「銀座」に移して2年目となります。日本を代表する繁華街として栄えてきた銀座においても、アイデンティティを維持しつつ新陳代謝をすることは切実な課題となっています。ましてや地方都市においては尚更です。そこで今年度は銀座という都市の履歴を踏まえた上で都市のアイデンティティおよび新陳代謝のかたちを考え、都市空間のあらたな未来をデザインすることを課題としました。
午前は実際に銀座のまちづくりに関わっている小林先生の解説のもと、中央通りや三原橋地下街、歌舞伎座、そして路地など銀座の様々な場所を見学しました。午後は班ごとに分かれ対象地などを自由に見学した後、懇親会を行いました。懇親会では参加者にそれぞれ銀座で感じたことを10字で発表してもらいました。
午前には内藤先生・小林先生・事務局による講義を行いました。WSに向けての心構えや、銀座の変遷や現在のまちづくりに関する内容でした。その後、夕方からコンセプト発表がありました。講評者は内藤先生・小野寺先生・中井先生・西村先生・羽藤先生でした。自分たちの抱く銀座のイメージに引きずられる班が多くありました。
午前には篠原先生によるデザインする上での考え方などに関する講義が行われました。また午後には中間発表がありました。講評者は篠原先生・千葉先生・小野寺先生・中井先生・羽藤先生・小林先生でした。銀座だからこそできるデザインを見つけることに、どの班も苦労しているようでした。
[Group G]防災インセプション
防災性の低い銀座に小規模開発によって防災機能を埋め込む=インセプションすると同時に、日頃人々が目にする部分をデザインすることで防災意識もインセプションする。災害1日のためでありつつ365日を楽しめるまちを目指した。
最終結果は、1位Group B、2位Group D、3位Group Fでした。
WS前は銀座においてどのような新しい未来を提案してくれるか期待する一方で、銀座は若者にとって親しみがなく経験も乏しい場所であるため、切り口を見つけることやデザインする勇気を持つことが難しいのではないかという不安もありました。しかし最終的な提案ではどのチームもそれぞれ独自の視点で銀座をデザインしたと思います。銀座での暮らし方を考えたものや人の心理を追求したもの、農業に挑んだもの、防災計画を提案したものなど多種多様でした。
最後に参加者の皆様、お疲れさまでした。今後のこの経験や人のつながりを大切にして下さい。そして学生の提案に対して真剣に議論して下さった講師の方々、困り果てた班員に適切なアドバイスを下さったチューターの方々、準備運営に関わってくれた学生の方々、本当にありがとうございました。