2019年度 新着情報

第2回車座会議「ヒントください」開催レポート

【第2回車座会議「ヒントください」開催レポート】2019.10.24 崎谷浩一郎


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記録映像はコチラからご覧いただけます(外部リンク)

防災景観論を大きなテーマとした第2回のヒントくださいは、
甚大な被害をもたらした台風19号の傷跡が癒えない中行われた。

『ダムが共同体をズタズタにしたんです―
農山村で暮らす人たちの大いなる犠牲によって事業を進めるからには
その人たちが納得できるものに絶対しなくてはならない。金に糸目はつけない。』
冒頭、宮本さんの口からは1990年代に国の治水行政の現場で
陣頭指揮をとった生々しい言葉が語られた。

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1970年代に国が定めた河川・砂防技術技術によってダムと堤防に
よる一律的な治水対策が進められてきた。
しかし、土でできた堤防は残念ながら完璧な構造物ではない。
むしろ、伝統的な技術を振り返ると、土や木でつくられているからこそ
自然のエネルギーを分散する知恵や工夫が各地に見られたのである。

地球規模で気候が変動している中、
明らかにリスクの高い土地にダムと堤防をつくれば安全だとはもはや言えない。
災害のハザードマップは想定通りの被害を示すのみ。
本来、協働すべき都市と河川行政の間は縦割りの溝も深い。
問題の解決の糸口を他に求めても叶わない。

それでも、諦めたらそこで終わりだ。
変えていくべきは、現場である。
取り組むべきは、議論を絶やさぬことである。
まずは、第3回のヒントくださいへ続けたい。

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オランダ共有文化遺産プログラム「写真家ルーク・クラメール氏 講演会&クロストーク」開催のお知らせ

オランダの共有文化遺産プログラムの一環で、日本の関連遺産を撮影に訪れているオランダ人写真家クラメール氏を迎えたレクチャー企画です。
クラメール氏は建築物専門の写真家で、現在、日本、スリナム、ロシア、アメリカ、ブラジルなど、世界中に残っているオランダ人土木技師が関わった水関連事業(港、河川、橋、水道など)の建築物を写真に残すプロジェクトに取り組んでいます。日本では、明治期にオランダからお雇い外国人としてヨハネス・デ・レーケなどの土木技師が来日し、長年土木事業に従事して、日本の近代化に貢献しました。彼らが携わった治水事業(木曽三川改修、淀川改修など)の遺構が日本各地に残っています。
第1部では、クラメール氏がオランダ、日本、スリナムなどで撮影した水運・治水関連の建築物の写真をご紹介いただきながら、それらの比較や時代的な変容についてお話しいただきます。
第2部では『自然と対話する都市へ:オランダの河川改修に学ぶ』著者、立命館大学武田史朗氏と国土技術政策総合研究所岩本一将氏とのクロストークを開催します。

■日時|2019年11月15日(金)19:00~21:45
■場所|カフェ麹中(東京都文京区本郷2丁目35-10本郷瀬川ビル1F)
■定員|先着50名(要申込)
■主催|NPO法人GSデザイン会議
■協力|日蘭建築文化協会
■後援|オランダ王国大使館
■問い合わせ先|GSデザイン会議事務局(03-5805-5578)
申込フォーム(外部ページ)
詳細・フライヤー

第2回車座会議「ヒントください」

2019年6月に防災景観論をテーマに開催しました、
第1回車座会議に続き、第2回を開催します。
どなたでもご参加いただけますので、奮ってご参加ください。
詳細はフライヤーをご覧ください。

■GS第2回車座会議「ヒントください」
■日時:2019年10月18日(金)18:00-20:00
■場所:カフェ麹中
 (東京都文京区本郷2-35-10本郷瀬川ビル1F)
■テーマ:治水×伝統×デザイン=__________
■話し手:篠原修・宮本博司(元国土交通省防災課長)
■聞き手:二井昭佳・崎谷浩一郎
■定員:50名(先着順、参加無料、非会員可)
<申込フォーム(外部ページ)>
■詳細・フライヤー:第2回車座会議告知フライヤー
 ※フライヤー掲載時刻に誤りがございましたので,差換えました.(2019.10.15)

デザイン・キャンプ常滑2019参加者募集のお知らせ

今年で3年目となるデザイン・キャンプ常滑2019の参加者を募集します!
2019年9月4日(水)〜7日(土)の3泊4日、毎日日替わりの講師の方と常滑を倍にするデザインについて考えます。常滑での開催は今年で最後となります。現地でしか得られないかけがえのないものがあります。デザインを志す若い方々の参加をお待ちしています!

■募集要項

1)実施日時
:2019年9月4日(水)〜7日(土)/4日間

2)対象地:
愛知県常滑市

3)課題
:当日各講師より発表、計3課題+最終発表(3~4名のグループで取り組みます)

4)会場
INAXライブミュージアム
※INAXライブミュージアムは(株)LIXILが運営する文化施設です
〒479-8586 愛知県常滑市奥栄町1-130


5)講師のご紹介

●9月4日(水)

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宮城俊作(ランドスケープデザイナー / 設計組織PLACEMEDIA)
京都府宇治市出身。東京と京都に活動拠点をもつランドスケープデザイン・アーバンデザインの設計組織PLACEMEDIAの設立時からのパートナーとして約30年のキャリアを有し、建築家とのコラボレーションも多い。最近の仕事に「GINZA SIX GARDEN」、「パッシブタウン黒部」、「東京ガーデンテラス紀尾井町」など。現在は、東京大学大学院都市工学専攻教授、京都工芸繊維大学大学院客員教授をつとめる。

●9月5日(木)

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西田司(建築家/オンデザイン )
1976年生まれ。使い手の創造力を対話型手法で引き上げ、様々なビルディングタイプにおいてオープンでフラットな設計を実践する設計事務所オンデザイン代表。主な仕事に「ヨコハマアパートメント」(JIA新人賞/ヴェネチアビエンナーレ審査員特別表彰)、「ISHINOMAKI 2.0」(地域再生大賞特別賞)、「THE BAYSとコミュニティボールパーク」「大分県立芸術文化短期大学キャンパス」など。グッドデザイン賞審査員、東京理科大学准教授、明治大学特別招聘教授。著書に「建築を、ひらく」「オンデザインの実験」

●9月6日(金)

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菊地マリエ(公共R不動産)
国際基督教大学教養学部卒業。卒業後、(株)日本政策投資銀行勤務。退職後「日本で最も美しい村連合」特派員として日本一周58町村踏破。2015年からフリーで公共R不動産立上げ、(株)アフタヌーンソサエティにて都市経営コンサルティング、 (株)リノベリングでリノベーションスクールの運営、東北芸術工科大学と地域温供給型エコハウス住宅開発等、多数の公民連携プロジェクトに関わる。共著に『CREATIVE LOCAL』(学芸出版、2017)『公共R不動産のプロジェクトスタディ』(学芸出版、2018)。

6)参加資格:
デザイン・まちづくりに興味をもつ学生、社会人

7)定員
:12名 ※申込者多数の場合は抽選※

8)参加費:
学生3万円、社会人4万円
【参加費に含むもの】
・期間中の宿泊費(素泊まり、宿はこちらで指定)
・初日懇親会費
・テキスト代
【参加費に含まれないもの】
・現地までの旅費交通費
・期間中の食費(初日懇親会費を除く)
・その他、上記にない諸費用


9)申込期限:
2019年8月27日(火)
申込について:氏名、性別、年齢、所属、連絡先(メールアドレス)をご記入の上、dc2019tokoname●gmail.com(●を@に直してお送りください)までお送りください。

10)主催
:NPO法人GSデザイン会議
〒113-0033 東京都文京区本郷2-18-13-2F

11)会場協力:
株式会社LIXIL

12)問い合わせ:
デザイン・キャンプ2019運営実行委員会
崎谷浩一郎、川添善行、田邊裕之、鍵谷哲志
担当:崎谷浩一郎
連絡先:dc2019tokoname●gmail.com
●を@に直してお送りください
TEL:090-9158-8960


デザイン・キャンプwebサイトより過去の様子を見ることができます

第1回車座会議「ヒントください」開催レポート

【第1回車座会議「ヒントください」開催レポート】2019.6.21 川添善行


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記録映像はコチラからご覧いただけます(外部リンク)

人は人から学ぶ、ということがとても大切だと思っています。
6/19のGSデザイン会議の総会の後、「ヒントをください」が開催されました。
幹事の一人として、今回取り組みたかった課題は以下の3点です。

(1) 2005年に任意団体としてスタートしたGSデザイン会議は、すでに14年ほどの時間を過ごしたことになります。この過程で、非常に多くの成果を出してきたと思います。一方で、組織としては長命の類に入ると思いますので、一度、自分たちを見つめ、未来をきちんと考える必要があると思います。会員が、きちんと膝を突き合わせ、語り合うことから、もう一度、自分たちの未来を考えるべきだと思いました。

(2) 人に教えをこう、ということがだんだん難しくなっている気がしています。情報技術の発達は、深く語り合う機会を増やしているのでしょうか。世代や経験を超え、照れずに語りあうこと、誰かに素直に教えをこうこと、そういう場をつくることと、建築・土木・都市の中に人の居場所をつくることは、不可分なことではないでしょうか。

(3) 講演会とは、講演をすることですから、その主語は登壇する人です。「ヒントをください」の主語は、会場の参加者です。主語が入れ替わることで、主役を反転させ、新しい対話の場の
形式を作れないかと思いました。幸いにも、会場の参加者を含め、アクティブな議論が展開されました。

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防災景観論を全体のテーマとしましたが、冒頭、篠原代表から、道路と川の対比から、災害がいかに地域性を含んだ概念であるかということ、そして、日本の計画史を概観することで、将来の課題を明確に位置付ける話題提供がありました。内藤代表からは、景観法の後、景観を考えることがいかに重要で、それは設計論だけでなく、根源的には設計という行為そのものを相対化する視点であるという問題提起がなされました。
その後も、活発な意見交換が続き、景観論だけでなく、人生における挫折の意味など、広範なテーマの議論が行われました。

この企画は、今後、初回の改善点をふまえ、2回、3回と継続する予定です。今回、参加できなかった方にも、なんらかのかたちでフィードバックすると同時に、できるだけ多くの方にご参加いただけるような仕組みを考えていきたいと思います。

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第1回車座会議「ヒントください」(仮)

下記の通り、篠原・内藤両代表を囲んでのトークイベントを開催致します。
どなたでもご参加いただけますので、奮ってご参加ください。
詳細はフライヤーをご覧ください。

■GS第1回車座会議「ヒントください」(仮)
■日時:2019年6月19日(水)17:00-19:00
■場所:カフェ麹中
 (東京都文京区本郷2-35-10本郷瀬川ビル1F)
■話し手:篠原修・内藤廣
■聞き手:川添善行
■定員:50名(先着順、参加無料、非会員可)
<申込フォーム(外部ページ)>
 ※【6/5追記】申込者が定員に達したため、申込みを締め切らせていただきました.
■詳細・フライヤー:第1回車座会議告知フライヤー