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GSDW2012

メッセージ

 今年の課題は、若者には難しいと思う。 なにせ銀座は、江戸時代こそ場末だったものの、明治には新聞社が乱立する文明開化の発信基地となり、関東大震災後の昭和戦前には、当時の言葉「銀ぶら」に表されるように最先端の繁華街になっていた処だから。 かの荷風も、墨東に通う前にはよく行っていた処です。 その地位は未だ失われず、今も大人が訪れる街である事に変わりはない。 この頃はアジアの成金が多いようですが。 諸君が、どの位大人感覚を持てるか、でしょう。 小生の20代半ばの青春の街でもあります。 懐かしいね。

篠原 修

 大きな災害を軛として、世の中がどのように変わっていくのか、多くの若者たちが不安に思っていることと思います。 自分たちが生きていく未来なのですから、当然のことです。 本来は、若者こそが未来を語る権利を持っているはずであり、未来を語る主体であるべきです。 しかし、このきわめて当たり前のことが忘れられています。 失敗を恐れる臆病なこの国にあっては、過去の事例や 慣習を脇役として役立てるのではなく、それをもって未来を語ること、未来から現在を変えていくことを圧殺してきたといえます。 大きな災害は、このやり方がうまくいかないことをわれわれに教えてくれています。 また、ほうっておけば遠い未来に顕現したことを、手前に引き寄せて見せてくれています。 いまこそ、若者が未来を自由かつ主体的に自らのものとして熱く語り合う解放区が必要です。 GSDWはそういう場を、今年も提供したいと思います。

内藤 廣

宣言

―趣旨―

 日本の都市の均質化が謳われて久しい。同時に、都市のアイデンティティが切実に問われるようになった。
 都市のアイデンティティは、時代を超えて共有され、記憶され、都市の魅力としてにじみ出る。 一方、文化や情勢を考慮し時代に合わせた新陳代謝をし、更新してゆくこともまた、都市には必要不可欠である。 アイデンティティの維持と、新陳代謝。これらをどのように両立してゆくのか。 これが、現代の都市が抱える課題であると考える。そしてこの課題には、日本を代表する繁華街である銀座でさえも無縁ではない。
 東京都中央区銀座。文明開化の象徴・銀座煉瓦街として整備された後、関東大震災や戦災といった困難を乗り越え、人々の手で銀座は幾度も蘇った。 多くの老舗が集う商店街でありながら、日本に、日本人に、常に新しい文化や時代の先端を示してきた。 そして東京オリンピックを契機に、銀座は「世界のGINZA」としてひとつの最盛を迎えた。 70年代、渋谷や新宿といった副都心の開発が盛んになるにつれて繁華街の役割を分つようになっても、育まれてきた文化と新しく入ってきたモノをうまく取り込みながら、新陳代謝を重ねてきた。
 ところが、バブル崩壊後、都心再開発の動きとともに空き店舗に多くの海外ブランドやチェーン店が店を構えた。 そして現在、日本のみならず世界的な経済不振の打撃を受け撤退した店舗の跡地を中心に、ファストファッションが次々と出店している。 銀座にも、均質化の波が押し寄せている。
 銀座らしい空間の表裏、濃度差のようなものが失われつつある中で、銀座という都市のあり方を考えることは、これからの都市における都市性とはなにかを問い直す重要な契機にもなりうるだろう。
 本ワークショップの目的は、銀座および中央通りを舞台に、都市のアイデンティティおよび都市の新陳代謝のかたちを専門を超えて議論し、都市におけるまちづくりのよりどころを見出だすことである。

概要

■ テーマ
GROUNDSCAPE DESIGN WORKSHOP 2012
- デザインワークショップ 土木×建築×都市×造園×歴史×ID -

■ ワークショップ内容
・プランニング、デザイン演習(グループ作業、図面、スケッチ、模型の制作)
・講師陣によるプランニング、デザイン、プレゼンテーションに関するレクチャー、エスキス
・チューターによるアドバイス、フォローアップ
・プレゼンテーション (初日、中間、最終)
・現地見学会(8月31日予定)
・展示会 (未定)
・成果報告書の作成 (年度内に冊子として参加者へ発送します)

■ 開催日時 / 会場
2012年9月1日(土)?9月8日(土) 8日間
※2012年8月31日(金)に現場見学会を実地(参加者対象)
東京大学工学部1号館 土木設計室・演習室及び講義室 [ 地図 ]

■ 課題
東京都中央区銀座および中央通りのうち、約200m四方の敷地のデザイン(詳細検討中)

■ 定員 / 募集対象 / 受講料
32名 (4名×8グループ) 程度
全国の土木、建築、都市、造園、ID、デザイン系の大学生・大学院生および専門学校生
30,000円 (テキスト代含む。その他諸費用は自己負担)

■ 主催 / 協力
GSデザイン会議 [ HP ]
GSデザインユース [ HP ] / 東京大学 景観研究室 [ HP ]
過去のワークショップの様子
2011 2010 2009 2008 2007

スケジュール

2012年8月31日(金) : 現地見学会

2012年9月01日(土)-2012年9月08日(土) : デザインワークショップ(8日間)

講師陣

篠原 修 - 東京大学名誉教授 / エンジニアアーキテクト協会会長
内藤 廣 - 内藤廣建築設計事務所 [ HP ]
千葉 学 - 千葉学建築計画事務所 / 東京大学 [ HP ]
乾 久美子 - 乾久美子建築設計事務所 / 東京藝術大学 [ HP ]
小野寺 康 - 小野寺康都市設計事務所 [ HP ]
中井 祐 - 東京大学
西村 浩 - ワークヴィジョンズ [ HP ]
羽藤 英二 - 東京大学

応募方法

以下の二点を添付し、下記応募アドレスまで送信してください。

■ エントリーシート
氏名、所属、学年、連絡先、自身の専門分野(土木、建築、都市、造園、ID等)などについて、以下のエントリーシー トをダウンロードして記入してください。
GSDW2012エントリーシート[ download ]

■ ポートフォリオ
応募者多数の場合は選抜を行いますので、これまで取り組んだ設計・活動・研究・課題等を1つ選び、A4サイズ1枚で 自由に表現して下さい。データは5MB以下のPDF形式とします。

応募アドレス:gsdw2012@gmail.com [ mail ]
応募期限:2012年8月10日(金)8月17日(金)まで

※スパム防止のため@部分が全角になっています。半角に直してご使用ください。

問合せ

担当:安田 尚央、宮坂 知成

GSDW2012事務局 : 東京大学大学院工学系研究科 社会基盤学専攻 景観研究室 [ 地図 ]
住所:〒113-8656 東京都文京区本郷7-3-1 4F 413号室

TEL/FAX : 03-5841-7450
e-mail: gsdw2012@gmail.com
※スパム防止のため@部分が全角になっています。半角に直してご使用ください。
HP : http://www.groundscape.jp/workshop2012/