全体テーマ
これからの都市のあり方としてコンパクト・シティーという概念がありますが、物理的なまちの大きさに終始し、そこで目指していたはずの「都市の豊かさとは何か」ということは、あまり語られていません。一方で、人々はテレビやスマートフォンと向き合う時間が増え、自己で完結する生活へとますます進んでいます。都市を考えるとき、例えば人と会う機会を2倍にする、人と話す時間を2倍にする、そういった単純なことが実は大事なのではないでしょうか。コンパクト・シティーからコンタクト・シティーへ、そこへ寄与するデザイン的な回答を、3名の講師の課題を通して探ります。
ミッション
○○を倍にする
下記は当日講師より発表
・ ○○に当てはまるキーワード
・ 対象敷地
・ アウトプット形式(スケッチ、手書き図面 etc.)
最終発表(4日目)
・ 3日間の成果を動画にまとめて発表
・ 動画長さ15分以内
・ 動画を流しながら説明、発表の仕方は自由
課題
内藤廣|建築家
「常滑競艇場の来場者数を倍にする」
常滑といったら焼き物の街と言われているが、実は競艇が財政的には貢献している街なので、そちらから攻めてみる。そこで金ができれば街づくりに使えば良い。即日課題なので、若者なりのアイディア、例えば君たちが競艇場に行きたくなるような提案をしてください。
伊藤恭行|建築家
「窯元での来訪者と常滑の人々との触れあう時間を倍にする」
常滑はすぐ隣の駅が中部国際空港で、名古屋までは遠いですが常滑は1駅なので、トランジットで半日とか1日とか空港で過ごす外国の人が常滑に来る。また愛知県は製造業も盛んなので、ここに住みながら働いている人もいる。ホスピタリティは常滑にくる日本の人達にとってもふれあいの機会を増やすことになる。常滑は焼き物の街なので、このまちの特徴を活かしながら、接触の時間を増やしてください。
篠原修|土木設計家
「常滑を眺め体感する場所を倍にする」
景観は目で見たものと言われますけど、体験には風を感じるとか臭いだとかもある。つまり5感を使って考えて欲しい。2点目は風景は昔から和歌や俳句に詠われたり、絵に描かれたりしている。風景を味わうとは、メカニズムについては理系ですけど、半分は文系の素養が必要なので、そういう目でも見てください。3点目は日本は誠に四季の変化が激しいところ。気候的に豊かな変化があり、雨の風景は普通は嫌なものですけど広重の画を見ていると雨の版画もある。四季や気候も一緒に考えてほしい。最後は難しいことを言いますが、風景を媒介にしてコミュニケーションをとることができる。最近はインスタグラムが流行らしいですけど、要するに風景を媒介にして人と繋がりたいわけ。実は昔からやられているので、過去の人とのコミュニケーションもできる。
というように多面的な味わい方があるので、そういう目で見てください。
最終発表