活動の記録

  

トータルデザインの実践

GSデザイン会議では、近年の総合的なまちづくりやトータルな空間づくりへの要請に応えるため、その実践と人材のネットワークづくりに努めています。

トータルデザインの実現には、現行の各分野の縦割り体制や、計画、設計、施工といった各業務の輪切り発注制度が弊害になります。こうした弊害を乗り越え、総合的なまちづくり空間づくりを実現するためには、土木、建築、都市計画、造園、歴史、デザイン等の各分野の専門家が連携したデザインチームを編成して、計画から設計、施工まで一貫して関わり続けることのできる体制でプロジェクトに臨む必要があります。もちろん専門家だけでなく、市民や行政との連携も欠かせません。

GSデザイン会議は、各分野の専門家、行政、市民の連携によるトータルデザインの実践を蓄積し、その実績をもって、望ましいまちづくりやデザインのありかたを積極的に社会に問いかけていくことを目指しています。

シンポジウム・セミナー

GSデザイン会議では2種類のシンポジウムを開催しています。

「GSまちづくり支援シンポジウム」は、実際にまちづくりに取り組んでいるさまざまな地域に、当会議のメンバーが出向いて行うシンポジウムです。当会議メンバーによる実践例を紹介しながら、そのまちの取り組みについて市民・行政の方々と議論をし、まちづくりを推進していくための情報提供と知恵の共有化、人材のネットワークづくりを図ります。

「GS連続シンポジウム」は、制度や予算、人材など様々な現実の壁を乗り越えて成果に結びつけたまちづくりやデザインの実例を題材に、そのプロジェクトのキーマンの方々を官民問わずお招きし、当会議のメンバーを交えて議論を行います。まちづくりやデザインの望ましい体制・システムの構築へ向けて、必要な情報・知恵・方法の共有化を行い、さらにそれをメッセージとして社会に発信することを意図しています。

まちづくりやデザインに際して直面する問題や課題はそれぞれですが、シンポジウムを通じてまちづくりに関わるさまざまな地域の市民・行政・専門家の横の連携をつくりだし、まちづくりに奮闘する方々を支援する人材と知恵のネットワークを実現していきます。

またシンポジウム以外に、各分野の第一線でご活躍の方をお招きするイブニングセミナーや、会員間の情報交流の場である懇話会の開催も随時行っております。さらに、当会議の活動や実績を広く市民や専門家にメッセージとして発信するため、書籍の編集、出版にも力を注いでいます。

ワークショップ

GSデザイン会議の活動の大きな柱のひとつは、次代のまちづくりやトータルな空間づくりを担う人材の発掘・育成です。

土木デザインの展覧会として本邦初の試みであった「GROUNDSCAPE展/篠原修とエンジニア・アーキテクトたちの軌跡(2003年5月、東京・青山)」では、会場に9つの大きな模型が展示されました。この模型は、土木、建築、都市、IDなど様々な専門分野を学ぶ160余名もの学生が参集し、昼夜を問わずその製作にあたりました。彼らの情熱とエネルギーは展示された模型から溢れ出て会場全体をつつみこみ、訪れた人に感動を与えました。

この若者たちのエネルギーを絶やすことなく次につなげる試みとして、翌2004年より毎年9月に「GROUNDSCAPE DESIGN WORKSHOP」を開催しています。このワークショップは、土木、建築、都市計画、歴史、デザインの各分野から迎えた講師陣のもと、1週間の集中形式で行うデザイン演習プログラムです。全国各地の大学から参加する多様な専門分野の学生たちが、総合的な都市空間の設計課題にグループで取り組むものです。GSデザイン会議はワークショップ開催の母体となり、実際の運営はワークショップの修了生を中心とする若者たちのネットワーク、GSデザインユース(2005年4月設立;GSデザイン会議のユース組織)が行っています。

その他の活動

GSデザイン会議では、会員のグループ活動(研究会、講習会、展示会の開催等)に対する支援、または関連書籍の出版助成、配本を行っています。

また各種シンポジウムや研究会、講習会、展示会、ワークショップ等の後援も行っています。